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【2025年最新】バンナートラッド・サムットプラカーン工業団地と用途地域規制が厳格化!工業促進Purpleゾーンの最新ルール解説〜

バンコク賃貸・売買契約に関わることについて

19/09/2025


はじめに
皆さま、こんにちは。

バンコク中心部からサムットプラカーン県の東に延びる大動脈「バンナートラッド通り」沿いは、長年にわたり工業団地や物流拠点が発展してきた一方、住宅地の拡大も進んできました。その要衝であるサムットプラカーン県では、ここ数年で用途地域(ゾーニング)規制の強化が進み、工場許可や土地利用の判断に直接影響を及ぼしています。


タイ工業団地と規制の流れ

  • 1970〜80年代:IEAT(工業団地公団)が設立され、ラートクラバンやバンチャンなどバンコク近郊に工業団地を造成。輸出型産業の基盤を形成。
※1970年代のサムットプラカーン県Teparakロード近く
  • 1990年代:サムットプラカーンに工場が集中。住宅も拡大し、騒音・排水・大気汚染問題が顕在化。
  • 2000年代:都市計画局(DPT)がカラーゾーンを導入し、Orange=住宅、Purple=工業を明確化。
  • 2010年代〜2021年:洪水や化学工場火災などが発生。特に2021年7月5日のプラスチック工場爆発事故では、半径5km圏内に数千人規模の避難命令が出され、周辺住宅数百棟が被害。
    空港や高速道路にも影響を与え、住宅密集地と工場立地のリスクが大きな社会問題となりました。これを契機に安全・環境規制が強化されていきます。
  • 2020年代:PM2.5や環境問題の深刻化を背景に、2022〜24年頃からOrangeゾーン規制が一気に厳格化。EECへの産業集約政策が進展。


現在のサムットプラカーン県における規制強化の内容


  • Orangeゾーン(住宅系地域)
     ・不動産購入は可能ですが、新規のFactory License(รง.4)取得や住所変更はほぼ不可能。
     ・環境配慮を重視した政策により、既存工場以外の操業は厳しく制限。
  • Yellowゾーン(低密度住宅地域)
     ・基本的には住宅専用であり、工業用途はほぼ不可。
     ・将来的な住宅開発を優先する方針。
  • Purpleゾーン(工業系地域)
     ・工場立地が認められるゾーンで、ライセンス取得も可能。
     ・ただし土地の区画割や建物規模が大きくなる傾向があり、小規模案件は少ない。
  • 政府の方向性
     ・サムットプラカーン周辺の小規模工業団地は縮小傾向。
     ・投資とBOI優遇はEECの大型工業団地に集中。

企業への影響と今後の方針

  • Orangeゾーンでは操業許可の取得は極めて困難で、事業拡張は現実的ではありません。
  • Purpleゾーンが現実的な移転・新規取得の選択肢ですが、規模が大きい物件が中心です。
  • 既存のOrangeゾーン工場は急に閉鎖されるわけではなく、既存操業の継続は可能。
  • 長期的には、サムットプラカーンで小規模物件を探し続けるか、EEC地域への進出を視野に入れることが重要です。

まとめ

サムットプラカーンにおける用途地域規制は、環境配慮と都市計画を背景に年々厳しくなっており、OrangeやYellowゾーンでの新規工場設立はほぼ不可能となっています。

実はこの動きは、日本の高度経済成長期にも起きています。
1960〜70年代の東京下町(墨田区・江東区・大田区など)では、住宅と中小工場が混在し、公害が深刻化しました。これを受けて都市計画法や公害規制法が整備され、住宅と工業の切り分けが進められます。
既存工場は存続を認められたものの、新規や拡張は難しくなり、多くの工場が埼玉・千葉・神奈川の工業団地へ移転しました。大都市圏の土地利用が大きく再編されたのです。

国際的に繰り返される都市発展のプロセス

タイのサムットプラカーンと、日本の下町の事例は非常によく似ています。
どちらも「人口増加と住宅拡大 → 公害問題の深刻化 → 規制強化 → 工場の郊外移転」という流れをたどりました。
つまりこれは、国際的に繰り返されてきた都市発展のプロセスであり、タイもまた同じ道を歩んでいると言えるでしょう。

一見すると制約が増えたように見えますが、むしろ「進むべき方向が明確になった」と前向きに捉えることもできます。
今後もOYASHIKIは、皆さまと一緒に最適な選択肢を見極めながら、前向きにこの変化を乗り越えてまいります。


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